PRUNUSを使用中に次のようなアラートが表示され停止することがあります。
「再生が追いつきません」
お問い合わせで多いのがこのトラブルです。
先日、このトラブルに見舞われた方から御連絡を受けました。
BorisFXによる加工が随所にある重いタイムラインで、CG(ファイル形式.mp4)を部分的に使用しており、そのCGはサイズは大きくないので最適なファイルに変換せずにそのまま作業したとのことでした。
主に作業をしていた編集室のPRUNUSでは問題なかったとのことですが、トラブルが発生したのは編集室を変えてPCのスペックとしては低いPRUNUSで作業をしたところ先のようなトラブルが発生したとのこと。
【原因はなにか?】
症状を読み解くと単純にベースマシンとなるPCの問題です。
タイムラインの状況からバッファが追いついていない感じです。
パワーもそうですが「メモリ不足」が問題の大部分となります。主に作業をしていたPRUNUSのメモリ容量は「8GB」で辛うじて再生していた形です。一方でトラブルが発生した編集室のPRUNUSのメモリ容量は4GB。
負荷の高いタイムラインを再生しようとするとバッファ、つまり一時的に記憶しなければいけない容量が追いつかず結果→「再生が追いつきません」となります。これはタイムラインの再生時に見えている映像というのは実は事前にメモリにバッファ、つまり出力時にタイミングのズレを補う為に事前に蓄えてそれを放出(=再生)するために記憶する作業をしています。
この事前に蓄えるバッファが満足に追いつかず再生しようとすると「再生が追いつきません」という状態になります。
人間に置き換えると非常にわかりやすいのですが、例えば自動車工場で組立作業員が次々流れてくる製品に対して組み立てる準備(=バッファ)が出来ていないと組み立てが間に合わずラインが停止してしまうということです。
ということで今回の場合は原因が明確です。
(1)最適なファイルに変換せずに使用したCG(.mp4)
(2)随所にあるBorisFXで処理された加工ファイル
この2つが主な原因と考えられます。
(1)のmp4はQuickTimeの派生した圧縮技術のフォーマットなのでデータ的には軽いのですが、そもそもPRUNUS側がQuickTime(=.mov形式)を最適化していないので再生する際にはある程度バッファを要します。
(2)については確実に負荷が掛かります。これはBorisがPRUNUSに対してプラグインで関わっていることからどんなに簡便な効果であろうとPRUNUSのタイムライン上からBorisの加工箇所に入る際に1プロセス余計に掛かることになります。
なおかつBorisの加工度合によっては更にBoris側で効果を再現する為の作業を必要とするので負荷がどうしても掛かるのです。
【対策方法は?】
これらの「負荷」を減らす為の方法がやりくり=書き出しです。
やりくり=書き出しをする場合は「.mxf」形式でも良いのですが、より軽くする場合は「.mvf」形式が好ましいです。
「.mxf」形式はxd-cam形式と同意でファイル容量としては重く、PRUNUSでサポートしているとは言え完全に「最適化」している訳ではないと私は捉えております。実際に比較してそのように感じました。
一方の「.mvf」形式は言わばPRUNUSデフォルトですので(PRUNUSのデジタイズはこの形式)完全に最適化しております。なので非常にスムーズに対応します。
ですから「やりくり=書き出し」をする際には「.mvf」形式で行なった後に同個所を置き換えすることをお奨めします。
(写真はイメージです)